真剣さ、そして涙

今日は、3年生以下のリーグ戦の決勝トーナメント。なんとリーグ全勝で決勝トーナメントに進んだというわけである。リーグのブロックは8つあるので、各ブロックの代表8チームで決勝トーナメントを戦う。いわゆる準々決勝である。ウチのホームグラウンドで2試合、別のグラウンドで2試合、ウチのチームは10時からの第1試合である。
ホームグラウンドということで、グラウンド作り、つまり土の整備、ネット張り、塁間計測、ライン引き、などなど大忙しである。他のチームも続々と集まってくる。
いよいよ試合開始。相手は強豪である。相手ピッチャーはボールのスピードが速い。いいピッチャーである。こちらは先攻。1回表に2点を先制したが、ウラに4番打者に2点本塁打を絡めて3点返されて逆転。しかし、2回の表に2点返して4対3とまたまた逆転。ウラは三者凡退に切って取り、3回表に本塁打で1点返して5対3とリードを広げる。でもそのウラに今度は5番打者にまたまた2点本塁打を浴びて5対5の同点に。4回表に1点返して6対5とリードして4回ウラに0点に抑える。最終回の5回表はクリンナップだったが三者凡退。5回ウラ無死2、3塁から前打席本塁打の5番打者を敬遠して満塁策。小学校低学年でここまでやるかという本格的な采配。次の打者はピッチャーゴロで本塁フォースアウトで1死満塁。次の打者は前進守備のセカンドゴロで本塁に送球しフォースアウトと思った瞬間に主審のコールはセーフ。抗議となったが6対6の同点。次の打者の1球目がワンバウンドになり、キャッチャーそらして、サヨナラ負けで終わった。
最初から最後まで手に汗握る逆転、逆転、同点、逆転、そして逆転サヨナラ・・・とても小学校低学年とは思えない素晴らしい試合であった。3年生のこどもたちは終わった後泣いていた。小学校低学年が野球の試合で負けて泣くなんて意外だったが、それぞれ胸に秘めたものがあったのだろう。ブロック代表で決勝トーナメントに臨んだわけだから、その責任というか、ブロックの他のチームのためにも勝ちたかった、という気持ちが子供ながらにあったのならば素晴らしい選手たちだと思う。またそういった経験ができて幸せだと思う。
第2試合は、準々決勝のもうひとつの試合で主審をやった。ウチのチームは1、3塁の審判と聞いていたのだが、他のチームも1、3塁の審判と聞いていたらしく、主審と2塁をやってほしいと頼まれ、私が主審をやることに。こちらもとてもいい試合で、どちらもピッチャーが素晴らしく、途中まで接戦であった。こういったレベルの高い接戦を、応援席ではなく主審の位置で観るというのもなかなかできないことである。結果はFがCに勝利した。試合が終わって「集合」をかけて選手たちが整列したときに、負けたCの選手たちがワンワン泣いてた。礼をした後、円陣を作って「フレーフレー○○」の掛け声を言うときに、Cのキャプテンは涙で声が出なかった。その様子をみて胸がものすごく熱くなった・・・
とにかく今日の試合は、小学校低学年といえども、今年の甲子園の決勝戦の再試合と同じくらい見ごたえがあった。主審をやっていて、本当にどちらも勝たせてあげたいと思った。やはり、真剣さは見る人の心を確実に捉えるものだ。