多忙なマネジャー

組織が変わり、組織の名前が変わり、名刺が変わり、部門コードが変わり、一部のコスト分担の仕組みも変わる。自分にとっては、ひとつ上の上司は変わらないのだが、彼は彼でさらにひとつ上の組織の副を兼務することになったこともあり、席にいないこと、オフィスにいないことが最近多い。変更初期の整合をとるために多忙と思われるが、過去の諸々の件の解決も担当しているのでとにかく大忙しである。自分にとっても、変更初期の混乱を最小限に食い止めて業務がスムーズに回るようにするために、いろいろ策を講じる必要がある。しかし、組織である以上、自分で決められないことは上司に相談せざるを得ない場合があるが、彼が不在のためもっぱらメールや電話でのやりとりとなる。緊急度の高くない事項はそれからは外しておいて、しかし、なんとなく忘れ去られてしまわないように備忘録に記入することになる。自分もずっとオフィスにいるわけではなく、お客様のところに出かけることもあるので、状況は同じである。
「マネジャーこそ稼げ!」というお達しがあるので、普通にお客様相手に稼ぎながら、マネジメントも行っているのが現状である。通常の就業時間でなんとか稼ぐ方を片付けて、マネジメントはもっぱら深夜の作業となる。みんながそうではないが、上の人ほど帰りが遅いという傾向にある。そのような状況では、どちらかというとマネジメントは片手間になりがちだ。以前の上司はマネジメントにはあまり興味がなく、期限が過ぎてしまってから「期限が過ぎているため緊急でお願い」という依頼がくることが多かった。今の上司はそんなことがないだけ助かる。マネジメントが片手間になると、いろんなことが起きていることを知らずに時が過ぎてしまい、後で問題が大きくなったときに初めて直面してしまう。そうなってからでは遅い。事後処理にかかる時間と負のエネルギーによる精神的負担は、初期にリスクを察知して対策を講じるときのものよりもはるかに大きい。よって、忙しいときほど、より密なコミュニケーションでカバーしなければならない。