社内ユーザ巡り

お客様より要望があり、社内ユーザの事例についてまとめることになった。昨年社内ユーザ会を何度か実施したが、調査項目の中にはそれだけではよくわからないこともあるので、「社内ユーザ巡り」と題して、ヒアリングのために直接訪問してみた。
意外だったのが(といいながら実は想定内であったが)、アポなし訪問であるにもかかわらず、すぐにヒアリング対応してくれたことである。「都合のいいときにまた来ますから」と言うが、「時間がないのはいつでも同じなので、今やりましょう」と言ってくれるのである。これは、直接訪問するからに他ならない。メールなどでアポを取ることを試みようとするものなら、「忙しいから来週」という展開になってしまう。やはり、メールより電話、電話よりフェイス・トゥ・フェイスが急ぎの場合のコミュニケーションの基本である。
今回、社内ユーザ巡りを行って感じたのは、ユーザは知らないところでそれなりの悩みを持っているということである。「使用には差し支えない程度ではあるが、変なメッセージが出た」という事象をそのままにしていたが、私の顔を見て初めて「実はこういったことが起こっているのです」と打ち明けてくれた。「いつでも気軽に言ってくれればいいのに」とは思うが、やはり言うとなればそれなりの説明をしなければならないわけで、致命的な事態ではない限り忙しさにかまけて後回しになってしまう傾向がある。あとは使い方。機能を十分に使いこなせていない。こちらのグループを訪問したときには、使い方の話で盛り上がり、2時間近く要してしまった。個別に対応して悩みを聞いてアドバイスするという活動が欠落していたことを物語っている。
そういった真実に触れたとき、心にふと浮かぶ、ひとつの印象的な言葉、(→田坂師匠風で失礼します・・・)

お客様ひとりひとりに対して個別にお客様と対話し、悩み、その悩みの奥深くあるコンテクスト、そこから発するニーズ、などを探り出し、課題解決型のアドバイス・ソリューションを提供するのが「コンサルティング営業」。それがビジネスの基本・・・
今回の社内ユーザ巡りで多くの気づき・ヒントを得た。中でも、「何かあったらいつでも言ってください」よりも訪問してフェイス・トゥ・フェイスで向き合うところに価値があるということだ。これは、「定着化」の課題に対する今後のメニューのヒントとなるだろう。