更新要件について考えた

5月中に某診断士研究会で、「更新要件ポイントを取得する方法」なるテーマの話を聞きました。
また、つい先日、社内報の反響のひとつとして、社内で診断士資格を持つ人より、「更新要件ポイント取得の具体的方法としてどのようなことを考えているか教えてほしい」というメールがありました。メールに返答するにあたり、これを機会に更新要件についてまじめに考えてみました。
更新要件には、「新たな知識の補充に関する要件」と「実務能力の維持に関する要件」の2種類の要件があります。「新たな知識の補充に関する要件」については、①座学研修受講、②論文審査合格、③座学研修講師、の中から、5年で5回(5ポイント)以上行うことが求められています。この要件については、①が最も現実的と思われますので、1年に1回づつ研修を受講しようと思います。昨年も1回(1日)受講しました。診断協会千葉県支部に加入していることもあり、千葉県支部主催の研修を受講しましたが、午前、午後に1社づつ、千葉県内の中小企業の社長に講演してもらう形式で、内容的には理屈の講義を聴くよりも実践的でけっこうおもしろかったです。受講料も6,000円程度と妥当なので、今年も千葉県支部の研修を受講しようと思っています。
一方、問題なのが、「実務能力の維持に関する要件」の方です。こちらの要件はいろいろありますが、現行では5年で9ポイント以上が必要ということになっています。企業勤務の者、いわゆる、「企業内診断士」に分類される者として現実的なのが、診断協会主催の「実務能力更新研修」(1回2日間で3ポイント)です。これだと、5年で3回受講すればポイント達成できます。ですが、私は現時点では、この研修は受講することを考えていません。1回あたり1万5千円〜2万円という料金を払わねばなりませんし、本来であれば対価を得て診断・助言を行うための要件と思っています。それを多額の料金を払ってポイントを取得することに多少なりとも抵抗があります。また、2006年度から実施されると言われている「診断士制度見直し」においては、この更新要件が大きく見直されるようです。9ポイントが60ポイント(パブリックコメントを考慮した修正案では30ポイント)と要件が大幅に厳しい方向に変更されるものと思われます。この場合、途中から要件が変更になった場合の所要ポイントがいったいいくらになるのかは現時点で未定ですが、9〜60ポイントの間であることには間違いないと思います。60ポイントとすると、更新研修を20回も受講しなければなりません。更新研修が同様と仮定すると費用にして30万円〜40万円程度となります。費用云々の問題というよりむしろ、やはり診断士として何らかの「診断・助言」を行うべきなのではないか、と個人的には受け止めています。では、どうやって「診断・助言」を行うか。
ひとつには、診断先を見つけて「診断・助言」を行うことが理想です。さらに、できれば他の企業内診断士と診断チーム編成して「更新ポイント取得」に向けた目的で行えればよいと思います。その場合の対価は、もらえるにこしたことはありませんが、例えば、最低でも交通費程度をもらうということでもよいのではないかと思っています。
診断チームを編成しない場合では、「コンサルティングを営む企業の依頼を受け、中小企業の診断・助言を行う」という方法も考えられます。そのためにも、独立コンサルの方(または潜在的な独立コンサルの方)とのネットワークを作ること、及び独立コンサルの方から何らかの依頼をもらえるほどのコンサルティングスキルを身に付けておくこと、がとても重要と思います。更新要件の書式を見ると、この場合は、診断先企業の社長印は不要で、独立コンサルの方の印をもらえばいいようです。
また、更新要件改正を利用する方法として、「企業勤務の者が、必ずしも対価を得なくとも、取引先企業に対する営業活動に関する助言を行う」をポイントにすることができるのではないかと思っています。現在の取引先の中には中小企業もおり、その社長と会社経営や売上・利益拡大などの話を実際にしているので、社長の印をもらうことが可能と思います。
あとは、仕事と直結させるという観点で考えると、現在勤務している会社が、業種でいうところの「建設業」に属しているのですが、それが「コンサルティング業務を営む会社」として認められれば、中小企業の顧客を開拓してコンサルティング業務を行うことによりポイントが取れるかもしれません。これも、更新要件の書式を見ると、診断先企業の社長印は不要で、自社の社長印があればいいようです。このあたりは確認が必要ですが・・・
いろいろ考えて書いていたらまとまりなく長くなってしまいましたが、更新要件改正を含めて、所要ポイント数に応じて何らかの活動を行えば何とかなると楽観的に考えています。→結論は結局これか(笑)。また、そのためにも、普段からネットワークを大事にしていこうと思っています。
久々のまじめネタでした。